なんだかんだ東洋医学[陰陽の巻 完結編]

四重の太陽の塔。

こんにちは、やまかつです。
今回は〝陰と陽〟についての完結編です!
一回目はコチラ
二回目はコチラ
三回目はコチラ
四回目はコチラ
さぁここから、私が個人的に言いたいことです。
が、メチャクチャ長くなってしまったので、以下三つに段落分けすることにします。
[陰陽の境界は人為的]
[三つに分ける境界は二つ]
[俺か、俺以外か]

[陰陽の境界は人為的]

陰陽は、太極から二つに分化したものでした。

ひとつの豚まんを二つに分ける
大きい方(陽)と小さい方(陰)
熱い方(陽)と冷たい方(陰)
左(陽)と右(陰)
こんな感じです。

一つを色々な角度から二つに分けることで
それぞれに特有の陰陽の性質が出てきます。

となると
どこで線引きするかがポイントに!
線引きをする=境界線を設定する
コレですね。

ここで、豚まんから地球に視点を移して見ましょう。
赤道を境界線とすると、北半球と南半球に。
子午線を境界線とすると、東半球と西半球に。
陸地の多い部分と海域の多い部分を境界線とすると、陸半球と水半球と言うそうです。
境界線の設定の仕方で、その個体の特性が色々な角度から見えてきます。

地球をどの境界線で分けるかで、その意味合いが変わります。

そもそも、陰陽や太極という言葉は
古代中国の書物『易経』繋辞上伝に発せられていました。
人間が自然現象を理解しようとした時に
長い時間、自然を観察しながら少しずつ法則性を見出してきたのです。

東西南北が認識されることで
東から太陽が昇って、西に沈むことが分かり
春夏秋冬が認識されることで
農作物の栽培がそれまでよりも容易になり
男女が認識されることで
子孫を残すことの意味合いなどが考えられるようになりました。

しかし、より自然の中で生きている動植物は
陰陽の境界を意識することはありません。
となると、、この世の中で
境界線を意識しているのは人間のみ
なのではないでしょうか。

天王寺動物園のマンドリル。この表情、もしからしたら、太極陰陽のこと考えているかも。。

[三つに分ける境界は二つ]

個体を陰陽で二つに分けてきましたが
三つに分ける場合はどうすのでしょうか?

ヒマワリを花、茎、根に分けてみましょう。
〝陰と陽は常に相対的である〟ことからも
茎は、花に対しては下に位置しますので、陰。
同時に、茎は、根に対しては上に位置しますので、陽と言えます。

このように
境界線をより細かく設定することで
更に細かく鮮明に、個体を理解することができるようになります。

境界を細かく設定する=どのモノサシを使うか
コレですね。

上下のモノサシ
左右のモノサシ
温度のモノサシ
質量のモノサシなどなど
世の中には様々なモノサシが存在します。

私という人間を色々なモノサシで測ってみましょう。
①体重計で、私の体重(70kg)が他者と比較できる。
②身長計で、私の身長(178cm)が他者と比較できる。
③ストップウォッチで、足の速さ(50m7秒台)が他者と比較できる。
④視力計で、私の視力(右0、2左0、2)が他者と比較できる。
⑤学術試験で、私の学術能力(IQ秘密)が他者と比較できる。

えっ!?別に私の情報なんか誰も知りたくない?
そう言わずに。
幾つかのモノサシを使うことで、私という人間を色々な角度からより鮮明に理解することができたと思います。

スパイダーマンの糸の発射速度は24m/秒くらい。

[俺か、俺以外か]

そう、どこかで見聞きしたことがある言葉ですね。
私はこの言葉を見た瞬間、
メチャクチャ陰陽やないかーーっい!
と、ひとりテンションが挙がっておりました。

なぜか。
自分と自分以外とを線引きしているからです。
自分の周りに境界線を設定し
自他を区別している言葉であるからです。

私の個人的な意見ですが
陰陽の線引きとは、自他を分けること
ではないでしょうか。

個体をより理解する上では、様々な角度から陰陽を分けて行くことが必要であり、その結果、文化文明が発達、私たちの生活が豊かになって参りました。
ただ、境界の設定の仕方、モノサシの当て方はあくまでも、人為的であり、且つ、主観的であるため、少し見方を変えるだけで陰にも陽にもなり得るわけです。

ある場所では正義である事が
違う場所では不義になる事が多々あります。

そこで、思い出してほしいのは
陰陽は太極から分化したものであり、元々はひとつである
コレなんです。

元々はひとつであることを意識する
太極の視点に立って物事を観る
ということです。 

「俺か、俺以外か」という視点と同時に
「俺と俺以外はそもそも同じ
 ってゆーか、俺ってどこからどこまで俺?」
という視点を持ってみてはどうでしょうか。

〝陰陽からの視点〟〝太極からの視点〟
ま・さ・に、東洋医学!

陰陽の境界が曖昧なのがええ感じ。

おわり。

[鍼灸大仙堂代表 山本克仁]

Tommyのおさぼりクッキング

Tommyのおさぼりクッキング、長くup出来ず、ただTommyのおさぼり、になりました。申し訳ありません。

さて、暑かった夏が嘘のように肌寒い季節になりました。と言えば、お鍋ですね。

もちろんそれぞれのご家庭で定番があると思いますが、パセリと合挽きミンチだけの水餃子はいかがですか?

パセリは買っても育てても大量で使いきれませんね。ステーキの添え物やポタージュに浮かせても残りますが、とっても栄養価が高くてダメにするともったいないです。

1. 一束のパセリ全部みじん切りにして合挽きミンチと混ぜてお好みで塩コショウ、餃子の皮で包みます。

2. お湯を沸かしてそのまま1.をいれてもあっさり味、しっかり味がお好みなら中華スープのもとを入れてもいいです。

3. 浮いてきたら出来上がり。ハフハフしながらポン酢でどうぞ。

小さなお子様もママのお手伝いができますし、自分でお手伝いしたおかずならお野菜も進んで食べてくれますね。温まりますよ。

是非おためし下さい。

おさぼりTommy

なんだかんだ東洋医学[陰陽の巻4]

はい、私が捕まえました!の顔。

こんにちは、やまかつです。
今回は〝陰と陽〟についての四回目ですね。
一回目はコチラ
二回目はコチラ
三回目はコチラ

WHOが挙げている陰陽の定義を説明する上で重要なポイントの一つ
陰と陽は、常に変化し続けている状態を二回目で解説。
最後は「川の流れのように/美空ひばり」で締めくくりました。

そして、重要なポイントであるもう一つ
陰と陽は、常に相対的である
を解説する前に、絶対に無視できない〝太極〟を三回目に解説。
最後は「ふしぎなポケット/作詞:まど・みちお」で締めくくりました。

さて、今回はどんな歌で締めくくるのでしょうか?
って、ちゃいますよ!
ココは私が好きな歌を紹介するコーナーではありません。
私が大好きな東洋医学を純粋にお伝えする際、例え話ならぬ例え歌?として紹介したまでです。

すいません。前置きが大変長くなりました。
では、行きましょう!

太極から新たに陰と陽が生まれた訳ではなく
太極を二つに分けると、陰と陽になる
言い換えると
太極から新しい個体が生まれるわけではく
太極に全てが存在している

太極を二つに分けると、陰と陽

コレ、東洋医学を理解するのに、めちゃくちゃ大事なことでした。
で、この考え方を頭の中に置きつつ陰陽の解説に戻ると、、

陰と陽は、常に相対的である
そりゃそうですよね。

ココにひとつの豚まんがある。
豚まんを半分に分ける。
右と左に分かれる。
大きい方と小さい方に分かれる。
中身が多い方と少ない方に分かれる。
アツアツの方と少し冷めてる方に分かれる。
皮がベチャッとしてる方と少し乾いている方に分かれる。
豚まんの下に紙が付いている方と付いていない方に分かれる。
もういいですよね。

コレらは全て相対的です。
常に二つの状態を比較した上で
多いとか少ないとか、熱いとか冷めてるとか、ベチャッとしているとか乾いているとか、、我が家の子ども達がよくケンカしています。

コレ!
正にコレが陰陽なんですよ!

一つを色々な角度から二つに分けることで
それぞれに特有の性質が出てくる
でも、元々はひとつなんですよね。

この写真(太極)を二つの色に分けると、空の青(陽)と草の緑(陰)

ここまで、陰陽に対するWHOの定義
「自然のあらゆる事象にみられる、二つの相反し、相補的で、相関する宇宙の作用を概括的に表現した用語。絶え間ない陰と陽の運動があらゆる変化を引き起こす。」
を私なりに分かり易く解説してきました。

①陰と陽は、常に変化し続けている状態
②陰と陽は、常に相対的である

そして
今回のシリーズを通して私が一番言いたいことは、、
次回の[陰陽の巻 完結編]をお楽しみにー!

続く。

[鍼灸大仙堂代表 山本克仁]

(一社)北辰会の正式な見解でない場合もありますので注意下さい

なんだかんだ東洋医学[陰陽の巻3]

入道雲と古墳とマンションの陰陽

お久しぶりでございます。
やまかつです。
今回は〝陰と陽〟についての三回目です。
一回目はコチラ
二回目はコチラ 

前回は、WHOが挙げている陰陽の定義を説明する上で重要なポイントの一つ
陰と陽は、常に変化し続けている状態
を解説、最後は「川の流れのように/美空ひばり」で締めくくりました。

今回は、重要なポイントであるもう一つ
陰と陽は、常に相対的である
このことについて、解説していきます。

言い換えると、世の中には
〝絶対的な陰〟〝絶対的な陽〟
というのは存在しませんよ、ということです。

相対的:他と比較した関係の上で成り立つさま
絶対的:他の何物とも比べようもない状態・存在であるさま

と、ここで詳しい陰陽の解説の前に
どうしても抑えておきたいことがあります。

太極っぽい顔

コレです。
太極(たいきょく)です。
は!?何それ!?聞いたことない!?
そうかもしれません。
が、陰陽を語る上で絶対に欠かせない概念・言葉が太極なんです。

では、太極って何?
ってことになるのですが、簡単に言うと
陰と陽に別れる前の状態です。

逆に、太極から陰と陽に分かれた
と言えるわけです。

〝混沌としたひとかたまりのパワー〟
って感じでしょうか。

例えるなら、、、
・兄弟二人で分ける前のホッカホカの豚まん
・仕分けする前の洗濯物の山
・細胞分裂する前の受精卵
・線引きされる前の地球
・ぼっーーとしている時のあなた

そんな感じです。

少し専門的な話になりますが
陰陽や太極という言葉は
元々は古代中国の書物『易経』繋辞上伝に発せられています。

「易有太極 是生兩儀 兩儀生四象 四象生八卦 八卦定吉凶 吉凶生大業」
(易に太極あり、これ両儀を生じ、両儀は四象を生じ、四象は八卦を生ず。八卦は吉凶を定め、吉凶は大業を生ず)

とあり、占いで有名な八卦(はっけ)ができるまでの過程。強いては、そこに天地万物の全てが発生するさまが投影されています。

[太極→両儀(陰陽)→四象→八卦]
の流れを図式化すると以下のようになります。

やまかつ作です。どこでどのように使って下さっても構わないですよ。

で、太極から陰陽、四象、八卦の流れの中
形になる前の世界、形而上
形になった後の世界、形而下
などなど、ドンドン話が膨らんでいくのですが
そこを爆進していくと、今回のテーマである陰陽解説と少し離れていきますので、この辺りにしておいて(また別の機会にガッツリと)、話を戻しましょう。

ここで間違えてはいけないのが
太極から新たに陰と陽が生まれた、訳ではなく
太極を二つに分けると、陰と陽になる
太極を四つに分けると、四象になる
太極を八つに分けると、八卦になる
ということですね。

太極から新しい個体が生まれるわけではく
太極に全てが存在している
シブいぃーー!

東洋医学的な考え方として、とてもとても重要なポイントです。
どのような病であれ、全てが一つの体の中で存在しているわけで、〇〇科、〇〇科のように分けて考えることはできない。
コレですよね。

という訳で
今回も最後は歌で締めくくりましょう!
[太極→両儀(陰陽)→四象→八卦]
の流れが見事に表現されております。

「ふしぎなポケット」
作詞:まど・みちお 作曲:渡辺茂

ポケットの なかには
ビスケットが ひとつ
ポケットを たたくと
ビスケットは ふたつ

もひとつ たたくと
ビスケットは みっつ
たたいて みるたび
ビスケットは ふえる

そんな ふしぎな
ポケットが ほしい
そんな ふしぎな
ポケットが ほしい

子どものポケットの中でビスケットの宇宙が広がっているやないかい。
って、結果的に洗濯物の山が大きくなるなるだけやないかーーい!

お後が宜しいようで。
続く。

[鍼灸大仙堂代表 山本克仁]

(一社)北辰会の正式な見解でない場合もありますので注意下さい。

なんだかんだ東洋医学[陰陽の巻2]

新幹線から奇跡の一枚

こんにちは。
鍼灸大仙堂代表の山本克仁です。
東洋医学のことを、自由に思いつくままに綴っていきたいと思います。
(一社)北辰会の正式な見解ではない場合もありますのでご注意下さい。

今回は、〝陰と陽〟についての二回目です。
WHOが挙げている陰陽の定義を説明する上で
重要なポイントの一つ

陰と陽は、常に変化し続けている状態

というものがありました。
今回はこの点について、もう少し掘り下げましょう。

言い換えると
固定的な静止画ではなく、動き続けている動画
と捉えて頂くと理解しやすかったですよね。

春夏秋冬などの季節は常に変化し続けています。
生物はこの世に生まれ、成長し、老いていき、形を崩していく。
あなたの恋心も、、、変化していきます。
そして、夫婦関係も、、、
これは、変化させてはなりません。
いやいや、そんなことはないですよね。
常に変化し続けております。
モチロン良い意味で(かなり主観的ですね)。

すいません。
話が反れました。
陰陽といえば、この図です。

太極図

太極図(たいきょくず)と言います。

白と黒の勾玉が重なり合っている感じ。
白の部分が陽、黒の部分が陰を表しています。

また、白と黒の勾玉が
時計回りに回転している図でもあります。
この回転している状態が
陰陽の絶え間ない運動変化=常に変化し続けている状態
を表しているのです。

水の変化を思い浮かべてみて下さい。
水蒸気から水へ、水から氷へ、またその逆も然り
温度によって、質が変化していく中
その所在も、上に行ったり下に行ったり
一定であることはないですよね。

森羅万象
天地間にある一切の事象は
形を変えながら、グルグルと巡り続けているわけです。

続く。

[鍼灸大仙堂代表 山本克仁]