なんだかんだ東洋医学[陰陽の巻3]

入道雲と古墳とマンションの陰陽

お久しぶりでございます。
やまかつです。
今回は〝陰と陽〟についての三回目です。
一回目はコチラ
二回目はコチラ 

前回は、WHOが挙げている陰陽の定義を説明する上で重要なポイントの一つ
陰と陽は、常に変化し続けている状態
を解説、最後は「川の流れのように/美空ひばり」で締めくくりました。

今回は、重要なポイントであるもう一つ
陰と陽は、常に相対的である
このことについて、解説していきます。

言い換えると、世の中には
〝絶対的な陰〟〝絶対的な陽〟
というのは存在しませんよ、ということです。

相対的:他と比較した関係の上で成り立つさま
絶対的:他の何物とも比べようもない状態・存在であるさま

と、ここで詳しい陰陽の解説の前に
どうしても抑えておきたいことがあります。

太極っぽい顔

コレです。
太極(たいきょく)です。
は!?何それ!?聞いたことない!?
そうかもしれません。
が、陰陽を語る上で絶対に欠かせない概念・言葉が太極なんです。

では、太極って何?
ってことになるのですが、簡単に言うと
陰と陽に別れる前の状態です。

逆に、太極から陰と陽に分かれた
と言えるわけです。

〝混沌としたひとかたまりのパワー〟
って感じでしょうか。

例えるなら、、、
・兄弟二人で分ける前のホッカホカの豚まん
・仕分けする前の洗濯物の山
・細胞分裂する前の受精卵
・線引きされる前の地球
・ぼっーーとしている時のあなた

そんな感じです。

少し専門的な話になりますが
陰陽や太極という言葉は
元々は古代中国の書物『易経』繋辞上伝に発せられています。

「易有太極 是生兩儀 兩儀生四象 四象生八卦 八卦定吉凶 吉凶生大業」
(易に太極あり、これ両儀を生じ、両儀は四象を生じ、四象は八卦を生ず。八卦は吉凶を定め、吉凶は大業を生ず)

とあり、占いで有名な八卦(はっけ)ができるまでの過程。強いては、そこに天地万物の全てが発生するさまが投影されています。

[太極→両儀(陰陽)→四象→八卦]
の流れを図式化すると以下のようになります。

やまかつ作です。どこでどのように使って下さっても構わないですよ。

で、太極から陰陽、四象、八卦の流れの中
形になる前の世界、形而上
形になった後の世界、形而下
などなど、ドンドン話が膨らんでいくのですが
そこを爆進していくと、今回のテーマである陰陽解説と少し離れていきますので、この辺りにしておいて(また別の機会にガッツリと)、話を戻しましょう。

ここで間違えてはいけないのが
太極から新たに陰と陽が生まれた、訳ではなく
太極を二つに分けると、陰と陽になる
太極を四つに分けると、四象になる
太極を八つに分けると、八卦になる
ということですね。

太極から新しい個体が生まれるわけではく
太極に全てが存在している
シブいぃーー!

東洋医学的な考え方として、とてもとても重要なポイントです。
どのような病であれ、全てが一つの体の中で存在しているわけで、〇〇科、〇〇科のように分けて考えることはできない。
コレですよね。

という訳で
今回も最後は歌で締めくくりましょう!
[太極→両儀(陰陽)→四象→八卦]
の流れが見事に表現されております。

「ふしぎなポケット」
作詞:まど・みちお 作曲:渡辺茂

ポケットの なかには
ビスケットが ひとつ
ポケットを たたくと
ビスケットは ふたつ

もひとつ たたくと
ビスケットは みっつ
たたいて みるたび
ビスケットは ふえる

そんな ふしぎな
ポケットが ほしい
そんな ふしぎな
ポケットが ほしい

子どものポケットの中でビスケットの宇宙が広がっているやないかい。
って、結果的に洗濯物の山が大きくなるなるだけやないかーーい!

お後が宜しいようで。
続く。

[鍼灸大仙堂代表 山本克仁]

(一社)北辰会の正式な見解でない場合もありますので注意下さい。

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