ある患者さん。
足の指の爪の半分の高さに横筋がくっきり入っています。
手の爪は6か月位、足の爪は1年位で生え変わりますから、「半年くらい前に何かお体の不調がありましたか?」とお尋ねすると、思い当たることがあったそうです。
別の患者さん。
ここ10年程、爪の形が変形していて色もよくないことを気にされていたそうです。健診などでは特に異常も見つからないけど、きっと体の変調が爪に表れているんだと思っていらっしゃったとのこと。
数か月前から鍼灸治療を開始。爪のことはお困り症状ではありませんでしたが、最近になってきれいな爪に生え変わってきたことに気付いたと教えてくださいました。
私たち治療家は、爪の色つや、半月、縦筋、横筋などを観察させていただいています。それによってお体の気血の流れがスムーズか、気血が不足していないかなどの参考にしています。また、手足のどの指の爪が変調をきたしているかによって、その爪が属する経絡についても着目していきます。
鍼灸治療では気血の流れがスムーズになるようお体を整えさせていただいていますが、「きれいな爪に生え変わってきた患者さん」は鍼灸治療を継続していく中で、おからだ全体がいい方向に改善しており、その象徴として、爪にも良い変化がでたのだと思います。
「解剖学」では、体の細胞は260種類、60兆個もあり、細胞が集まって組織をつくり、組織が集まって器官をつくると学習します。
各細胞には寿命があり生まれ変わっていきます。例えば胃や腸の消化管上皮細胞は24時間、赤血球は3か月、骨は10年といわれています。中には、心筋や神経細胞のように二度と生まれ変わらないとされているものもありますが、最近の研究では再生することもわかってきたそうです。
東洋医学では解剖学的な見方はしませんが、鍼灸で気血の流れをスムーズにして、おからだを健やかにしておくことで、細胞がより良い状態で生まれ変わるのではないかと思います。
より多くのの方にこの東洋医学、鍼灸治療のことを知り体感していただけますように。
[治療家:熊本 和]
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