立冬とは、冬の気配が山にも里にも感じられてくる頃のこと。木々の葉が落ち、冷たい風が吹き、冬枯れのようすが目立ってきます。
「立」には新しい季節になると言う意味があり、立春・立夏・立秋と並んで季節の大きな節目です。→これらを四立(しりゅう)といいます。
暦の上での冬は、立冬から立春の前日までの約三ヶ月。
気温が低下して、自然界の陽気が減少し、陰気がもっとも盛んな季節になります。
樹木の葉はおおかた枯れ落ちて、虫は土の中に隠れて冬ごもりに入ります。
自然の摂理に従えば、動植物は活動を停止し、じっと耐えて春を待つ時なのです。
[治療家 鈴木綾佳]
七十二侯の初侯では『山茶初めて開く』といい、意味は山茶花(さざんか)の花が咲き始める頃です。
二十四節気は半月毎の季節の変化を示していますが、これをさらに約5日おきに分けて、気象の動きや動植物の変化を知らせるのが七十二候です。二十四節気と同じく古代中国で作られました。
二十四節気が古代のものがそのまま使われているのに対し、七十二候は何度も変更されてきています。