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大仙堂治療家の池田玲子です(^^)
今回は、私が日頃ヨガの指導をさせていただく中でも、一番大切にしている「呼吸」のお話です。
中国の古い言葉に、
息とは、古きを吐き 新しきを吸い、
以て 臓を練り、
意をもっぱらにし、
精を積み、
神に通ずることなり。
というのがあります。
「呼吸」とは、単なる肺におけるガス交換だけではなく、
古く汚れてしまった空気を吐き出し、新鮮な空気を体内にとり入れて、内臓の鍛練・精神統一・生命力の強化・真理の自覚を可能にする…という意味です。
古来から東洋では、呼吸というものを非常に大切にしてきました。
私たちは、普段、無意識に呼吸をしています。
私たちの身体は、とてもうまく出来ていて、寝ている時でも呼吸を忘れずにすむようなしくみに作られています。
しかし、私たちは日ごろ、身体や心を理想的に使っているわけではなく、大抵の人たちが、ずいぶん間違った使い方をしてしまっています。
呼吸も、それに引きずられて 歪みを生じ、そんな歪んだ呼吸は、心身までも歪ませていくという悪循環に陥っているのです。
幸い、呼吸は、自分で意識的にコントロールすることも出来ます。
普段、生活をする中で、今自分が息を吸っているのか、吐いているのか、そんな事に意識を向けることは少ないと思いますが、時々でよいので、ご自分の呼吸に意識を向ける時間を持っていただけたら…と思います。
「呼吸」という字は、先に「呼(はく)」という字を書きます。
普段の呼吸を意識するとき、吸うことよりも、まずは吐くことを大切にすると、より良い呼吸ができるようになります。
息を吐くと、副交感神経が優位になり、筋肉や血管がゆるんで血液の流れが良くなります。
血液の流れが改善されると、体温が上がり、同時に免疫力も上がります。
呼吸は、自分で意識して、速くしたり遅くしたりすることが出来ます。
血圧が高かったり 低かったり、動悸がしたり、体温が高すぎたり 低すぎたりした時にも、吐く息を中心にしてゆっくり呼吸をすると、体温や脈のリズムが整ってきます。
日ごろ、多くの方の身体を診させていただいて強く感じることは、ストレス社会を生きる現代人の方たちの多くが、「吸う息」ばかりになっていたり、「息が止まってしまっている」ということです。
吐く息を中心にした呼吸は、身体や心の緊張をゆるめ、全身に活力を与え、自律神経を安定させます。
「吸う息」や「止まった息」は、緊張を生み、怒りや悲しみの感情を生む息です。
反対に、「吐く息」は、笑いを生み出す息なのです。
古い息をしっかりと吐き出し、新しい気に満たされた空気を身体の中に循環させ、
笑いにあふれた人生を送りたいものです。
[治療家 池田玲子]