This week’s flowers(20240201) &患者さんの声(長文)

こんにちは♪

今回のブログでは今週のお花と、治療させていただいた患者さんの声を紹介させていただきます。

まず、今週のお花。

今回のラインナップは、パンジー、ラナンキュラス、アルストロメリア、バラ、アリウム、トキワガマズミです。ご来院時にご覧くださいね。

さて、2年間鍼灸治療を受けてくださった患者さんからいただいたお声をご紹介いたします。この方は重いコロナ後遺症でちょっとした刺激で痛みが発生したり寝込むことがあったりと、本当にお辛い状況でした。この度、無事、復職されて、私も非常に嬉しく思っています。

長文ですが、お付き合いください。

■私の2年半に及ぶコロナ後遺症治療における鍼灸治療アプローチについて (2024年1月) 50代男性S様より

①コロナ罹患は2年半前

私は、2年半前まで、超多忙な毎日ながらも充実した日常をすごしていた、平凡な50代の年相応に健康な男性サラリーマンでした。
そんな私を、私の家族を、突然、理不尽で非日常な日々に突き落としたのは、3回目の非常事態宣言下の2021年5月でした。いわゆるコロナ禍の第4波で猛威を振るっていた新型コロナウィルスのアルファ株(武漢株から変異流行したイギリス株と呼ばれていた最初の変異株)に、家族4人が感染してしまったことです。最初に市中感染した義母から同居していた義父へ、その義母を看病していたかみさん、そして、義母とかみさんに付き添って、PCR検査の為に病院へ車で送迎した私が、次々と感染してしまいました。

その当時、すでに、医療崩壊していた大阪府の状況下において、義母は入院先が見つからずに最終的には手遅れで亡くなり、義父はなんとか入院でき、かみさんはホテル隔離、そして、私はホテル隔離から病態が悪化し、高熱と呼吸困難に陥り、呼吸器専門の国立病院へ緊急搬送され、入院することになりました。
私の症状は、いわゆるコロナウィルス感染性肺炎の中等症Ⅱの状態で、ICU室でのECMOを装着する一歩手前で、当時緊急承認されていた抗ウィルス薬やステロイド系抗炎症薬が功を奏して、2週間の入院を経て、5月末に退院でき、6月中旬に仕事に復帰しました。

②重いコロナ後遺症に

これでやっと、我が家を襲った悲劇から立ち直ろうとしていた矢先、本当の地獄が始まったのは、7月初旬、私に、いわゆるコロナ後遺症(Long-covid)と呼ばれる症状が発症し、就労不可能なほど悪化して、仕事を休職せざるを得なくなった事でした。私は、2021年7月から2023年12月の約2年半、傷病休職ということで、自宅療養することになってしまいました。

私の後遺症の主訴は、①眼痛、②鼻腔奥の刺激痛臭、③頭痛、④ブレインフォグ、⑤PEM(Post-exertional Malase:労作後倦怠感)、⑥高血圧・頻脈、⑥その他・・・、という症状でした。特に①眼痛は、囲炉裏の遠赤外線で眼球をコトコト焼かれるような鈍い熱い鈍痛、②の鼻腔奥の刺激痛臭は、プールの塩素系の消毒薬の水が鼻に入った時のようなツーンと鼻につく刺激と臭いが1日中する状態(臭覚異常や味覚異常はなかったのですが)、③の頭痛はその①と②が折り重なって、眼の上から後頭部、首の付け根に向けて焼き串でグリグリされるような鈍痛、そして、④のブレインフォグは頭がボーっとしてマルチタスクができない、短期記憶障害のような症状でした。

そして、さらに、最悪だったのは⑤のPEMと呼ばれる労作後の異常な倦怠感と、それから来るクラッシュと呼ばれる準寝たきりのような状態に陥る症状が長期にわたり続くというものでした。倦怠感と一言でいうと、何か体が重くてだる~い、というような日常的な疲れのようなイメージがあるかもしれませんが、PEM/クラッシュという状態は、物理的に体を動かす労作だけではなく、脳疲労を起こすような状態、例えば、集中してPCでの仕事をしたり、買い物をするときに商品の色々な情報(値段、消費期限、色、形、重さ・・・等々)を視覚情報から頭の中で情報処理して何等かの判断をするような事をした後、また、車の運転や野球場にいった時に、物の高速な移動や光、大小、広い・狭い、遠近、明暗のコントラストにより、①の眼痛もトリガーとなって脳疲労を起こし、②頭痛や発熱を伴って、最終的にティッシュ1枚も持ち上げられないような体が動かせなくなる倦怠感と、1日中服を着たままプールで泳いだ後、なんとかプールサイドに体を引き上げて出ようとした瞬間に、後ろから服ごと引っ張られて水中に引きずり込まれるような没入感とともに、道端でもどこでも突っ伏して昏睡してしまうような睡魔がズドーンと来るような感じで、2~3日から1週間、酷い時には1か月近く、準寝たきりになるような状態になっていました。

③コロナ後遺症の治療を求めて

2021年当時、まだ、コロナ後遺症という言葉もあまり定着しておらず、後遺症外来を名言して治療にあたっている病院も少なく、国や厚労省、自治体からの情報も乏しい状態で、大阪府下でも、ネットでヒットした堺にある某外来病院に急いで飛び込んだのが、2021年7月17日でした。そこでは、コロナ後遺症と明確に診断書を発行してもらい、会社の休職手続き等スムーズにできたのですが、まだ、世界中の研究者、科学者、医学博士、臨床医においても、コロナ後遺症の発症機序が不明で、治療方法も確立されていない手探りな状態で、鎮痛薬と倦怠感や頭痛のような不定愁訴な症状に昔から効くと言われてきた市販の漢方薬を処方されるような対処療法でしかアプローチする方法がなく、通院を始めて1カ月、3カ月と経過しても、症状はあまり軽快せず、途方に暮れるしかなかった状況が続いていました。

④鍼灸治療との出会い

そういう時に、出会ったのが、鍼灸大仙堂の鍼灸治療でした。かみさんの知人の看護師の方から紹介を受けて、藁をもすがる気持ちで鍼灸院を訪れたのが、2021年12月頃でした。こちらで施術される鍼灸治療は、ご紹介ページにも記載されている通り、弁証論治(問診、触診、脈診、舌診等)アプローチで、その日の状態をじっくり時間をかけて体表観察し、診断するのを毎回行い、その時の病巣を判断して、体のツボ・経絡のただ1点のみ(2点の時もありますが)に、無痛の細い和鍼を打つ、というスタイルのものでした。私の場合は、上述の厳しい後遺症の症状、それも、西洋医学的には治療法が解明されていない未知の病状です。そんな時に、熊本さんの初診時の一番最初の鍼を打った場所は、照海(しょうかい)と呼ばれる左足くるぶし内側の下にあるツボ・経絡でした。その時の状況を明確に覚えていますが、まるで、体の中をかき混ぜられているような感触が続き、上半身の熱を持った異常な状態とお腹の下から足にかけての冷たい虚弱なアンバランスな状態がす~っと平準化されて、下肢が暖かくなった感触、そして、上記①~③の後遺症の症状が数時間、激しく作用するような好転反応のような状態になりました。

私は、職業柄(ソフトウェア・エンジニア)、科学的・理論的アプローチによる判断がビジネス上重要だと叩き込まれてきた者のつもりでしたので、当初は、鍼灸治療自体や東洋医学的なアプローチについては、少し懐疑的な所があったのですが、その初日の第1鍼・第1打の体の反応には、正直、驚愕したのを覚えています。この治療アプローチには、西洋医学では治療法も診断法もない、まだ未知なコロナ後遺症という病態において、東洋医学、鍼灸治療のアプローチが有効ではないか!、という可能性を見出せた瞬間でした。鍼灸治療のルーツ、発症・経緯の詳細は知り得ないのですが、考えてみますと、たかだか200年程度の近代西洋医学の発展の歴史に対して、現代の東洋医学や鍼灸治療の源流を中国が発症ルーツと考えるならば、数千年にわる長い年月をかけて蓄積臨床されてきて、統計学的に有意な事例と治験を経て構築されているとすれば、この未知のコロナ後遺症という治療にこそ、人間の体の根本的な病巣に対してアプローチする東洋医学、鍼灸治療が、一筋の光に思えました。

2021年12月初診以降、実に2年の間、熊本さんにはお世話になりました。症状が重かった当初は、2回/週ペースから始まり、全体的な倦怠感やブレインフォグの症状には、早くも効果がありました。それ以降、①眼痛、③頭痛、⑤PEM症状等にも効果が出始め、軽快・回復具合に合わせて、1回/週から隔週、1回/3週間へと体調に合わせてペース頻度も調整してきました。
また、問診時には、見る夢の話や、音楽、ペットの話、夫婦喧嘩の話など他愛もない話から精神状態もみつつ、負のオーラは脈診や身体の気・血・水にも影響するとのことで、よく、話をさせてもらいました。そういった治療施術を約2年半続けてきて、ようやく2023年12月にある程度寛解・快癒状態となり、元の仕事に復職し、フルタイムの在宅テレワークでほぼ問題なく就労できております。

⑤日常を取り戻し新たなスタートへ

今、振り返ると、決して、東洋医学、鍼灸治療だけでコロナ後遺症が治った!、とまでは言い切れませんが、4th Opinionまで探し歩いた後遺症外来での治療、3つの耳鼻咽喉科、2つの眼科を探し歩きそれらの治療知見も受けながら、また、世界中の最新の医学論文や雑誌に投稿された医学的な根拠に基づくサプリメント類の服用や治療方法など、出来うる限りのことを試行してきた中でそれらと相まって、鍼灸治療の効果は、人間の身体の根本的な治癒力、回復力を下支えし、西洋医学の投薬治療の効果を引き出して全体的な効果をあげてくれたものと考えています。おそらく、西洋医学の薬や施術だけでは、ここまで軽快・快癒してこなかったと思います。確かに、人によって、鍼灸治療は、合う・合わないや、効果の相対差があるかとは思いますが、私の2年半に渡るコロナ後遺症治療においては、かなり効果があったと考えます。ここまでこれたのも、熊本さんのおかげと、感謝しております。
私が仕事に復職できたことが、我が家を襲ったコロナ禍における最後の決着、2年半前の日常を取り戻すスタートになりました。

熊本さんの手、無痛の細い和鍼、一撃必殺の一鍼には、現実的にも、医学的にも、治療・治癒の力が宿っています。

今後は、1回/月くらいのペースで、身体のメンテナンス、調整という意味合いと、まだ、完全には寛解していない症状の①眼痛の軽快・快癒を目指して、通院する予定でおります。今後とも、よろしくお願いします。

ご感想はここまで。

コロナ後遺症の重い症状が楽になっていただけるよう、あたりまえの日常を取り戻していただけるよう、常に内臓バランスをみて鍼灸治療をしてきました。2年半ぶりのご復帰、本当におめでとうございます!これからも応援させてくださいね。【治療家:熊本 和】

This week’s flowers 20231221

今週のお花をご紹介します!

                             撮影:熊本です。

白、緑、赤の色がいいバランス具合です。

今回の花材は・・・お花屋さんのメモだけではどれのことか分からないものもあったので、便利なネット検索をしました。

・バラ・スプレーバラ・スカビオサ・ポプルス(ユーカリ)・カーネーション・ストック

・ラナンキュラス⇒右上の一見葉っぱの集まりかと思わせる、もしゃもしゃの緑色の花  

・なでしこ(ダイアンサス)⇒中央下の細い緑の葉っぱの中に白い小花を咲かせています  

・ラヌギノーサ(小粒のバーゼリア)⇒左下の丸い実をつけている木

今回の私のお気に入りは「ラヌギノーサの実」です!もう「きな粉ボール」にしか見えません!美味しそうだな~。いやいや食べられません。注意!注意!

今年の大仙堂も残すところ来週の3日間のみ。2023年もありがとうございました

この一年も、治療家として鍼灸治療を担当させていただき、また月イチではコーヒーインストラクターとして珈琲クラスを担当させていただきました。

今年は、重いコロナ後遺症で、あたりまえだった日常生活を送れなかった方が、2年半ぶりに復職されたことは私にとっても非常に嬉しいことです。

また珈琲クラスに参加され、美味しくてからだに優しいコーヒーを、育児中のママがほっと一息つけるようにとサロンで提供されたり、福祉施設でご高齢の方に飲んでいただいたりと、誰かのために一歩踏み出されているお話を聞けたのも嬉しいことでした。また、珈琲を通してご家族との時間を楽しんだり、コミュニケーションアップになっている様子を伺えるのもありがたいことです。

鍼灸も珈琲クラスも、受けてくださる方がその人のやりたいことをやれるように、思うようにお力を発揮できるようにと願って、来年も続けていきたいと思います。

2024年もよろしくお願いいたします。どうぞよいお年をお迎えくださいね。

【治療家&コーヒーインストラクター:熊本 和】

二十四節気 小雪

11月8日に「立冬」を迎えたものの、暖かい日があったり、かと思えば、先週後半は大雨、強風で冷え込んだり。
そして11月22日からは「小雪」に入ります。「小雪」は冬本番というほどではありませんが、山には雪が降り始めるころ。時折、春のように暖かい日もあり。そういう日を「小春日和」といいます。
大阪では山に雪が積もっている姿はなかなか見ないですが、長野ではすでに雪化粧をしているそうです。知人が長野に移住していて、近くの有明山(別名:信濃富士)の写真を見せてくれました。

有明山(別名:信濃富士)。雄大な山を目の前にすると深呼吸したくなりそうです。

二十四節気のひとつの節気はだいたい15日間ありますが、それをさらに5日ずつに分けた暦が七十二候です。「今年はいつもより暑い夏だったなあ」とか思うものの、暦にてらして自然を観察すると季節の流れをしっかり感じ取ることができるように思います。

「小雪」の七十二候をご紹介しましょう♪

【初候】「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」日差しが弱くなり、薄曇りの日が多くなり、虹を見ることが少なくなったと感じる時期です。

写真は肥料・農薬・堆肥・除草剤を使わず、環境負荷の少ない農業をされている亀岡市のTarutaru_farmさんが撮影された数日前の虹。広大な大地の向こうに見える虹。よく見ると二重になっている!!こんな虹が季節の進行とともに見えなくなっていくんですね。

【次候】「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」冷たい風が吹いて木の葉が払い落とされ、落ち葉が積もるころ。「朔」とは北という意味があり「朔風」は木枯らしのこと。

春は花、夏は緑の葉っぱの木陰、秋は紅葉と変化してきたご近所の桜の木もだいぶ葉を落としてきました。

【末候】「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」橘は日本に自生する唯一の柑橘だそうです。橘を意識してみたことはないのですが、いろんな柑橘類の実が黄色く鮮やかに色づいてきています。

これもご近所の道路沿いで見た黄色く色づいた実。柚でしょうか??

ヒトも自然界の一部。季節の変化を感じながら、健やかに過ごしていければいいなあと思います。皆様もどうぞお元気でお過ごしくださいね。

【治療家:熊本 和】

二十四節気 霜降

こんにちは!

「立秋」から始まった秋も6番目の最後の節気「霜降(そうこう)」となりました。

久々の自作の太極陰陽図登場。青い矢印のところが「霜降」の節気です。

今日(10月24日)は北海道の旭川で初霜がおりたそうです。また、長野のお花農園では昨日に少し霜が降りたとのこと。あと15日で「立冬」、冬を迎えます☃

あんなに暑くて長かった夏を耐えてきたので、少しでも長く、過ごしやすい気候が続けばいいなと思います。

大阪でもひと頃と比べるとずいぶん空気が乾燥し、朝晩の冷えを感じるようになってきました。

今日、来られた患者さんからは、「朝晩冷えるようになり、足腰の冷えがでてきました」というお話を聞きました。しかし・・・、「足が冷える」というお話は一年を通して、何人もの方が訴えられます。

「手足の冷え(厥冷)」の原因は、『症状による中医診断と治療』によると大きく6つに分けられます。分類だけご紹介しますね。

・陽虚/・熱邪内欝/・陽気欝阻/・血虚受寒/・痰濁内阻/・蛔虫擾乱 

冷えは気候の変化で生じることもありますが、そのケースも含めて、実はからだの中、内臓のバランスによっていろんな原因で生じるということです。東洋医学による鍼灸治療では患者さんおひとりおひとりの原因に合わせて治療していくことが大切になります。

秋もラストスパート。この過ごしやすい時期を体調を整えて、存分に楽しめるといいですね。秋と言えば、スポーツ、芸術もありますが、私的には、やはり「食」!を楽しみたいと思います。量は控えめに(^_-)-☆ 【治療家:熊本 和】

二十四節気 秋分

9月23日。二十四節気で「秋分」に入りました。立秋(8月8日~)から始まった秋の季節のちょうど真ん中にあたります。立秋以降、とても暑い日が続き、ずっと夏のままではないかと思うほどでした。そんな秋の始まりでしたが、ようやく昨日9月23日は爽やかに空気が流れる秋を感じるようになり一息つけそうですね。

秋分の日は昼と夜がだいたい半分ずつになる頃。陰と陽が平衡を保っていると考えられ、卵も立つほどバランスがとれているとのこと。中国では卵に絵を描いて飾るそうですよ。

秋は自然界が乾燥しやすくなり、体もその影響を受けやすくなります。五臓で言えば特に肺が秋の乾燥の影響を受けやすいです。肺と関係の深い鼻、のど、皮膚などに症状がでることもあります。からだを冷やしすぎず、かつ、潤すことが大事になってきます。2年前に担当したブログでもご紹介しましたが、私のオススメは梨!

生姜・黒胡椒(ホール)・水で煮ると、これまたスパイスのさわやかな辛みと梨の自然な甘味でとっても美味しくなります。

そんな爽やかな秋分の日に、大仙堂では全員集まって大掃除をしました。たくさんのベッドや小物を運び出し、壁は塩水で拭き上げ、床は蜜蠟ワックスがけ。扇風機は解体して水洗いetc

大掃除で大仙堂の空気がよりサラサラ流れるようになりました!患者様のお役に立てますように💖

大掃除の後はお楽しみ「深清鮓のあなご寿司」♪来年も頑張ります!!!【治療家:熊本 和】