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5月6日に立夏を迎え、本日5月21日には次の節気「小満」となりました。「小満」とは、いのちが、次第に満ち満ちていくころのこと。草木も花々も、鳥も虫も獣も人も、日を浴びて輝く季節です。
我が家のスカビオサ スカビオサのつぼみ
気温が夏日となる日もちらほらでてきて(早すぎないか??)、着るものにもちょっと悩ましい時期です。
本格的な夏に向けて、自然界も人も、陽気が高まっていく時期!五臓(肝・心・脾・肺・腎)でいえば、「心」は陽に属し、「火の臓腑」とも言われています。暑い時期に「心」の養生はとても大切です。
私事ですが、「心」に関わる症例をご紹介します。
先週のことですが、夜、お布団に入って寝ようとしても全く眠れず、悶々として、身体を動かしたり、水を飲んでみたり、「3分で眠れる」という曲を聴いてみたり・・・。それでも、どうでも眠れず、朝4時頃から1時間だけ眠って大仙堂へ。
たった1時間しか眠っていないのに、翌日も全く眠くならず、高揚感マックスでした。例えて言うなら、ハエ男ならぬハエ女でしょうか。1986年に公開された「ザ・フライ」をご存じでしょうか。あの強烈な印象が蘇ってきました。
その日に山本先生に鍼治療をしていただいて、おかげさまで2日目の夜にはぐっすり眠ることができました。ただ、なぜ、こうなったかは原因が全くわかりませんでした。
ぐっすり眠った後によーく思い出してみると、ありました!原因が!
眠れなくなった日のランチでめちゃくちゃ辛いものを食べたのでした。細かく刻んだトウガラシが山盛り入ったガパオライスにトムヤムクンスープ。辛さで顔や頭から「火」を噴きそうになりながら、また、激辛の刺激で舌が痛くなりながら完食したのでした。
トウガラシは新陳代謝を促し、東洋医学で言えば「気滞血瘀」に良いとされています。ただし、身体に熱がこもっている人には適しません。熱を助長してしまうんですね。
元々、熱体質の私が、暑さが出てきた時期に辛いものを大量に摂取したことで、「心」に熱があふれて、良質な睡眠を保つ役割をもつ「心」のバランスをくずしたものと考えられます。
トウガラシも適量なら気血の流れを促してくれるでしょうが、熱体質の人が度を超えて摂取すると悪い方向に働いてしまうということですね。
本格的な夏に向けて、熱体質でなくても熱がこもりやすくなりますので、適度な運動をして汗で熱をだしたり、心をゆったりさせるようなリラックス時間も大切してくださいね。
【治療家:熊本 和】