なんだかんだ東洋医学[修行の巻2]

−正確な日本語−

私が生まれ〜鍼灸臨床家に至るまでの様々な気付き。
その、なんだかんだをランダムに綴っている第二弾!
今回のキーワードは−正確な日本語−です。

ブラキオサウルスの督脈って。。

東洋医学が医学であることの前提として
〝他者との相互理解〟は欠かせません。
ましてや〝病=気の状態変化〟という
実態が掴みづらいものを相手にしているため
術者同士での会話に−正確な日本語−は不可欠です。

例えば。
患者さんが「痛い」と表現したときに
ズキズキと拍動するように痛いのか?
ナイフで刺されるように痛いのか?
重だるく痛いのか?
痺れるように痛いのか?
力が抜けるように痛いのか?
など、実は痛みには幾つもの種類があり
東洋医学的な意味合いもそれぞれに異なり
もちろん、治療法も違います。

とはいえ
普通は「痛い」としか言いませんから
こちらから追加して聞き出す必要があります。
更に、その聞き出した情報を
−正確な日本語−でカルテに記載することで
他の術者と東洋医学的な情報を共有することができるのです。

約15年程前。
全ての新患問診を鍼灸師たちが行い
東洋医学で診断し、医師が漢方薬を処方する
という、漢方クリニックで修行していた頃。

2時間以上、初診問診をした後
情報を全てPCで打ち込みカルテとして残す
ということを毎日していました。

食事をする時間と鍼に触れる時間以外は
PC作業をする、という毎日。
1日何時間も早朝から夜中まで
東洋医学の参考書を片手に
PC作業を繰り返していました。

もちろん−正確な日本語−で。

するとどうでしょう。
日常の会話までが−正確な日本語−でないと
どこかで引っかかる自分が出てきたのです。

当時、結婚して数年の私は妻と二人暮らし。
早朝から夜中まで漢方クリニックにいた
私が帰宅する唯一の理由は
〝寝ること〟のみになっていました。

私自身が−正確な日本語−ブームの真っ只中
妻はいつものように私の帰宅直後から
機関銃のようにその日の出来事を話します。

私はその話を真剣に聞こうとするのですが。。
主語はどこにあんねん。
時系列がバラバラやし。
結論までが長すぎる。
などなど。

真剣に聞こうとすればするほど
フラストレーションが溜まっていき
でも、それではダメだと考え直すも
頭の中を整理したいがために
何度も聞き返す私。
イライラしてくる妻は黙りだす。
それでもスッキリしたくて聞き返す私。
そして、お互い大爆発!!

いつしか
妻と普通の会話ができなくなっていたのです。

これはヤバイですよね。
−正確な日本語−こそが最高なのだ!
−正確な日本語−だけが言葉なのだ!
と、全て自分のモノサシに変換しないと
気が済まない自分勝手モンスターと化した私は
妻との間で同じ爆発を何度も繰り返すことで
徐々に学んでいきました。

まずは、そのまま受け止める
確認は必要最低限の所だけ。
(それでもウザいかもですが)

つまづきながらも
妻との普通の会話が復活したのです。
メデタシメデタシ。

患者さんが話された情報を
患者さんが感じたままに
こちら側の主観は入れず
−正確な日本語−で記載、残していく。


コレが大事なんですね。

[鍼灸大仙堂 代表 山本克仁]

今週のお花 その二十二

こんばんは☺

今週も素敵なお花が届きましたので
ご紹介いたします
水仙のとても良い香りがする
アレンジメントです

水仙
ピンポン菊
カーネーション
アリウム
スモークグラス
モンステラ
スイトピー

和洋折衷
どんな種類のお花も
お花屋さんの手にかかれば
魔法のように七変化
すごいですね

お花をいけるということも
鍼灸につながると
教えていただいたことがあります

いかにおさまりよく
全体が調和するように
いけられるか

日常のあらゆるところに
鍼灸上達の秘訣が
ちりばめられているように思います

和の装いの
ピンと背筋が伸びるようなアレンジメントをみて
すこし背筋を正している私でした

[治療家 米田友紀]

今週のお花 その二十一

あけましておめでとうございます☀

今週のお花
新年スペシャルVer.です 笑
さすがお正月ということもあり
めでたい名前が勢揃い!



南天
葉牡丹
千両
ラン
スイトピー
アルテルナンテラ



2020年がスタートしました
お正月
いかがお過ごしでしょうか?

私はさっそく初詣に行って来ました
風は冷たいですが
陽の光は明るくあたたかく
本当に良い天気で
朝の爽やかな空気を胸いっぱいに取り入れ
清々しい気持ちになりました

昨年からスタートした『今週のお花』も
今日で21回目の更新

鍼灸と関係のない記事ですが
きれいなお花に癒されて
皆さんの心がほっと一息つけるような
そんなブログが書けたらうれしいです
今年もよろしくお願いします

昨年中は大変お世話になり
ありがとうございました
皆様のご健康とご多幸を
心よりお祈り申し上げます

[治療家 米田友紀]

なんだかんだ東洋医学[修行の巻1]

−空気を読む−

早朝の澄んだ空気と東京の街。太極図っぽい。

こんにちは。
今回から、私やまかつが生まれてから〜現在に至るまで
(現在も目下修行中ではありますが)
バリバリの臨床家になるまでにあった様々な気付き。
その、なんだかんだをランダムに綴って行きたいと思います。

今から15年ほど前。
私が20代中頃の時の話です。

ある、有名な鍼灸院で修行していた私は
修行を始めて数ヶ月した頃、
師匠が患者さんを治療しているベッドサイドで
診察所見や治療方法などをカルテに記載する
いわゆる〝書き〟を任せて頂けることになりました。

「ようやくナマで治療を見ることができる!」
と意気込んでいた私。
そこに、兄弟子から大切な助言がありました。
「治療中は師匠の邪魔をしないこと。
患者さんの舌や師匠の治療を覗き込んではダメ。」

そりゃそうです。
当たり前のことです。
そんな事分かってます。
と言葉だけを自分のルールで解釈していた私。

さぁ、師匠の治療が始まりベッドサイドで
意気込みながら私の〝書き初め〟が始まりました。

ベッドよりも低い姿勢で座りながら
師匠の発言を一言一句書きもらすことなく
また、兄弟子からの助言も守るべく
患者さんと目線を合わせることもなく
横目で師匠の手元ををガン見していたその瞬間!

〝ボコッ!〟
患者さんからは見えないように
師匠の足が私に飛んできたのです。
見上げると、目線で「出て行けの合図」。

チーン。。
そこで、私の「書き初め」は修理したのです。

スタッフルーム戻り
何が悪かったのか訳が分からず戸惑っている私。
そこに、師匠が戻って来られ
「今日は帰って、反省文書いて明日出直せ。」
の一言。

帰宅後、〝師匠の手元を横目でガン見〟が悪かったのかと思い
反省文を書いて翌日に提出するも
「何も分かってない。今日も帰って、反省文書いて明日来い。」
これが数回続いた時、兄弟子が教えてくれたのです。

「治療中は、師匠と患者さんとの関係性が一番重要。
その空気を乱してはダメ。
意気込んでもダメ。
石みたいに固まってもダメ。
ここは、お前の勉強する場所じゃなくて、真剣勝負の場。
そこで、お前は〝師匠の治療が一番効くような空気感とはどうゆうものか〟という視点を持つことが何より重要だし、
それを実践することが一番の修行になる。

なるほど。コレなんですよ!
(当たり前なんですが、その当時は分かりませんでした)

よっしゃーって意気込んでもダメ。
緊張し過ぎて固くなってもダメ。
師匠の真剣勝負の空気を読んで、
その流れを止めずに
己の身体に染み込ませることこそが
一番の修行になるんですねー。

教科書に載ってないけど
メチャクチャ大事なことなんです。

まぁ、その後も直ぐに空気が読めるわけでもないので
何度かチョップ、頭突き、膝蹴りの度に
反省文を書きながら流れを読めるようになった私でした。
(今の時代では訴えられそうですが、、、)

[追伸]
カーテンの外で(もちろん黙って)
師匠と患者さんとの会話を聞いていても
カーテン越しに師匠から「うるさい。帰って反省文。」
と言われたこともありました。。

真剣勝負とは、そんな世界です。

[鍼灸大仙堂 代表 山本克仁]

今週のお花 その二十

こんにちは
今週も素敵なお花が届きましたので
ご紹介いたします

カラー
アスター
バラ
ストック
バーゼリア
スプレー菊
さつま杉

さつま杉の葉を見て
もみの木を連想
クリスマスツリーと言えばもみの木ですね🎄
杉の木ともみの木は
共に針葉樹でよく似ていますが
見分け方はご存知ですか?

それは…
『もみの木はもみもみしても痛くない!』
(当社比です 笑)

私は山歩きが好きなのですが
杉の木ともみの木が混じった山を歩いているときに
友達から見分け方を教えてもらいました
山を歩きながらひたすら
これは杉!これは樅!
と鑑別し続けた懐かしい思い出…
確かに杉の葉の方がすこし硬くて
もみの木の方がやわらかかったです

カラーやバラ、スプレー菊など
華やかなお花が並ぶ中
さつま杉に注目してしまいました

杉の木ともみの木の見分け方
機会があれば
お試しくださいね♪

[治療家 米田友紀]